Jun 16, 2015

危険な誘い。


普段は、かなりの慎重派で安全第一の船長なのだが、この日は、どこか違った。

すでに、絶景を眺められるキャンプサイトにふさわしい場所を見つけたにもかかわらず、「候補のひとつですね!」と言って、さらに先へ歩みを進める船長。

その先には、雪で覆われた急斜面。船長に、「怖いから絶対嫌や!」と、訴えるものの、「大丈夫、ユキの許容範囲ですよ!」と、私の訴えに全く聴く耳持たない船長。そう言われれば、そうなのかも・・・と思ってしまう、船長への信頼マックスな私。

そして、それが、 間違いだったと気が付くのは、急斜面に立ってからという・・・

「めっちゃ、急斜面やん!」と、突っ込むも、「あ、たとえ、足を踏み外したとしても、20メートル位滑り落ちるだけで、怪我はしませんよ!」と、とってもポジティブな言葉が返ってくる。

その時点で、後には一人で引き返せない斜面に立っていたため、船長とともに、慎重に前進。足元だけに集中して、落ちゆく先は見ない方法で、なんとか平常心を保った。

その後、ロッククライミング的なさらなるハードな場面も経て、船長が発した一言。

「どうやら、最初の場所が一番キャンプサイトに適しているようですね!」

え・・・・?

「では、引き返しましょう!」

は・・・・?

後に知る、船長がそこまで足を伸ばしたかった理由。一週間前、あるスキーヤーが、その辺りで見かけたと、船長と私に報告してくれたアニマル 、マウンテンゴート。

「マウンテンゴート、見れなくてとても残念です。」

結局のところ、危険な誘いは、幻のマウンテンゴートのためだったらしい。

危険<マウンテンゴート、 というわけか。

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