May 26, 2015

度重なる濃霧の襲撃。


土曜日も日曜日も、連日悩まされた濃霧。とりわけ、標高5,200フィート(約1,600メートル)を超えたあたりから、10メートル先が全く見えないほど。神秘的ではあるものの、視界が悪い中でのスキーはリスクが高いので、霧待ちを強いられる。そんな時は、視野の確保できるゆるい斜面で、テレマークターンや、ジャンプターンの練習を繰り返す。自然が私達に与える環境は受け止めるしかない。船長と私には、学ぶことがあり過ぎて、霧待ちの時間すら全く無駄にできないのだ。

薄れたと思っても、再び、瞬時に辺りを包み込む濃霧。霧の合間に、何本かのダウンヒルを組み込む。滑っては、雪の斜面を登り、また滑っては、雪の斜面を登る。ここにチェアリフトがあったら、どんなに良いだろうと、口をそろえて呟くも、私達は知っている。チェアリフトがないから、この場所を私達だけで独占できるのだと。

初級者、中級者、上級者、全てのレベルのスキーヤーを満足させることのできる斜面と十分過ぎる雪があるにもかかわらず、ここにたどり着くまでの労力を惜しまない人間は、そうはいないのだ。私は、食べ物と、自分用の水、カメラ、自分のスキーとスキーブーツを担ぐだけでいいが、船長は、彼用の水だけでなく、余分な水(1.5リットル)、アイスアックス、シャベル、非常時用のアイテムの数々の上に、スキーとスキーブーツだ。

そこまで準備しているからこそ、入ることのできる世界。何も持たずに、夏のハイキングの装いで私達の足跡を辿ってきた若者達は、スニーカーがもはや限界に来た時点で、そそくさと引き返していった。

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